第3章 a day in our life <双子2歳>
雅紀がセットしたDVDに夢中の智と和也。
その様子を横目にキッチンの潤の所に向かう雅紀。
「潤くん、なにか手伝うことある?」
「こっちは大丈夫、翔さん、もうすぐ帰ってくるよね?」
「うん、さっき、メール入ってたよ」
「ねぇ?あの二人、今日お風呂いれても平気?」
「うん、長湯させなければ大丈夫」
「じゃ、風呂セットしてこよ」
一段落したのか潤が火を止めてキッチンを出ようとする。
それを雅紀が止める。
「潤くん、いいよ。俺がやってくる。
少し休憩しなよ」
そのまま、潤の返事を聞く前にダイニングを出ていった。
風呂場からは雅紀の鼻歌と水の流れる音が聞こえる。
リビングからは双子たちがDVDを見ながらなにやら言ってる。
「とぅーどるじゅー!」
「みーしゅか、むーしゅか、まうしゅけちゅーる!」
画面のミッキーマウスと一緒に冒険中のよう。
「ふたりともなにみてるの?」
潤が声をかける、
「みっきーしゃん」と和也。
「あかなの!」と智は画面に釘付けで潤の話は聴いてなかった。
ところが突然立ち上がり、とてとてと玄関に向かう。
すると和也も立ち上がり智の後を追う。
玄関に二人が着くのと同時に玄関の扉が開いた。
「ぱぱ!」
二つの小さな塊が飛び付いた。