第3章 a day in our life <双子2歳>
雅紀に起こされた二人はそのまま、雅紀に遊んでもらっていた。
「どうしようか?レゴにする?プラレールにする?」
「ぶろっく!」「でんしゃ!」とまったく正反対の答えの二人。
黙々と作品を作り上げる職人気質のある智とハマったものにはとことんの和也。
和也の最近のブームは電車、だったりする。
双子だけど一卵性ほどシンクロ率は高くない二人。
よく言えば【個】が確立されているのである。
「和はプラレールで、さとはレゴがいいの?
でも両方は難しいね?
それともディズニーのDVDみる?」
とたんに目が輝く二人。
「てぃっち、しゃと、てぃっち、みゆ!」
「かず、みっきーしゃん…」
「ありゃ、智はスティッチがよくて和はクラブハウス?
さと、スティッチ、今から見たら途中でおしまいだよ?」
時計を見ながら雅紀が言う。
「てぃっち、ないない?」
「うん、スティッチは長いからね?ご飯の時はテレビないないでしょ?」
ちょっと悲しそうな顔で考える智。
「みっきーしゃんは?ないない?」
「ミッキーなら大丈夫だよ」
1話20分ちょっとのものなら、丁度いい時間になると踏んだ雅紀。
雅紀の答えに智が言う。
「しゃと、みっちーしゃんみゆ」
「かずといっしょね?」
「ん、かじゅといっしょ」
ニコニコしながら言う智。
そんな智をみて嬉しそうに抱きついた和也。
「じゃ、ミッキーにしようね?」という雅紀に「うん」と声を揃えて返事する双子。
この辺のシンクロ率はさすが、産まれながらの相棒といった感じである。