第3章 a day in our life <双子2歳>
「はい、じゃエプロンとろうね?」
声をかけてボタンを外すと自分たちで脱ぐ。
少しずつ出来ることが増えてる二人。
日常の当たり前の光景に成長の跡をみる。
あんなに不安だった育児は今では大きな喜びになっている。
これは3人の共通の思い。
叶うならあの日の不安がこんな幸せに繋がることをあの時の自分たちに教えてやりたいと思う。
二人が帰ってきたらおやつの時の話、聞かせなきゃと思いながら片付けをする潤。
リビングにいる二人に目をやると、二人は大人しく絵本を読み始めてた。
そんな二人を眺めながら潤もリビングで仕事を進める。
しばらくして…潤のスマホが音をたてた。
「もしもし?」
『今、平気?』
さっきまでテレビから流れていた声。
翔からの電話だった。
「うん、大丈夫」
『智と和、どんな感じ?』
「今ねぇ、二人で絵本眺めてるよ」
『そっかぁ。
メール見て電話したんだけど…どうする?』
「折り返しでもいい?
じゃなきゃちょっと待てる?」
『うん、大丈夫だよ』
電話口で微笑んでる様子が浮かんだ。