第3章 a day in our life <双子2歳>
「かじゅ?ね?」
「うん、さと、ねー?」
とふたりでなにか話してる。
ふたりは声を揃えて潤を呼んだ。
「じゅんくん、はい」と和也。
「じゅんくん、どーじょ」と智。
二人揃って手にしたビスケットを潤に差し出す。
「え?ふたりとも?いいの?」
「「ん、わけわけ」」
二人の言葉に嬉しくなる。
すごく些細なことかも知れないけど、こうやって二人はいつも潤たちに幸せを届けてくれる。
まさに、この家の大人3人にとって天使のような二人なのだ。
「ありがとう」
二人のくれたビスケットを口にする。
それはとても美味しいビスケットだった。
「おいしいね?」
「「うん、おいちー」」
のこりのビスケットを口にいれてニコニコの智と和也。
体調不良は無い方がいいけど…こんな午後はすごく貴重だと笑う二人を見て思った。
と同時にこの姿を翔が見れないのが凄く残念で寂しいと思ってしまった。
考え込む潤の顔を双子たちが見てる。
「じゅんくん、いたいいたい?」と智。
「じゅんくん、にこ、ね?」と和也。
二人の顔を見て潤は笑顔をつくる。
「智、和?大丈夫だよ、潤くん元気だよ?
ふたりともご馳走さまかな?」
イマイチ納得しない顔をした双子だが潤の言葉に素直に頷く。
「「ごちそうしゃま」」
そういって小さな手をあわせた。