第3章 a day in our life <双子2歳>
ひっく、ひっくとしゃくりあげる二人。
「ばぱ、ヒック、もしもし?ヒック」
「しゃと、ヒック、ヒック、しょーちゃ、もしもしヒック、しゅる~」
「翔くんがもしもし出来るようになったら電話来るから、ね?」
濡れたタオル涙でグチャグチャの二人の顔を拭う。
「二人ともちょっと、遅いけどおやつにしよう?
ね?熱あるしアイスクリーム出そう?」
すこしでもテンションがあがるようにと祈るような気持ちで潤が双子たちに提案する。
「あいしゅ?」
「かず、いちごがいい」
よし、食いついた!と潤は心のなかでガッツポーズをした。
「智はどうする?バニラがいい?チョコ?イチゴ?」
「んと、しゃと、ちょこ、くだしゃい」
「わかったよ。すぐ用意するから二人ともお椅子に座ろうね」
二人を座らせキッチンに立つ、潤。
「これ、先に飲んでて」
そういって和也には飲みかけのマグを、智にも用意していたマグを渡す。
アイスクリームを小さめの器に入れてダイニングに運ぶ。
「二人ともエプロンするよ?」
声をかけ、それぞれのエプロンを着せる。
器を置くとふたりは手を合わせて食べはじめる。
「美味しい?」
「「んーおいちー」」
ようやく直った機嫌にホッとした潤。
折角なのでともう少しテンションをあげてやりたくなった。