第3章 a day in our life <双子2歳>
一方、翔の番組がはじまって半分ほど過ぎた頃の櫻井家。
和室で枕を並べて眠る智と和也。
潤は翔をはじめ、番組コメンテーター等の声が静かに流れるリビングで今日の分の仕事を進めている。
時おり双子たちの方に目線を送りながら、キーボードの上で指を優雅に踊らせる。
キリのいいところで作成していた書類を保存し双子たちの眠る和室に向かった。
時計は3時を回り、普段ならお昼寝から目覚める頃。
調子の悪い今日はどうかと見に行くと、和也が目を醒ますところだった。
タオルケットの下でもぞもぞと動く和也。
潤が小声で話しかける。
「和?起きたの?」
「んー、じゅんくん?」
「そうだよ?どうした?ここにいるよ?」
「だっこ」
潤に向かって手を伸ばす和也を抱っこして落ち着かせる。
腕の中の和也の顔を覗きこみ、額に自分の額を当てる潤。
「お熱、下がってきたね?」
平熱とは言えないまでも午睡明けと考えれば充分、許容範囲と言えるぐらいに落ちついてきた。
「明日は保育園に行けるといいね?」
「ん、いく」
起きてきたからそろそろ水分補給をと考えた潤が和也に聞く。
「少し飲み物飲もうね?ジュースと牛乳、どっちにする?」
小首を傾げて考える素振りをする和也。
「んーと、りんごじゅーちゅ」
「りんごね?用意してくるからリビングで待ってて」
そういうと和也をリビングのソファーの側におろしキッチンに向かった。