第3章 a day in our life <双子2歳>
食べ物はそれに適した器を使うべしという潤のこだわりで二人の食器も基本、大人同様、陶磁器や漆器を用意している。
二人は大事にしないと割れることを知っているので食器を粗末に扱うようなことはしない。
まだお箸は早いのでスプーンとフォークで食べることになるが二人ともわりと器用に食べてる方だと思う。
それでもこぼしそうなのを止めたり、遊び出す二人の間に入って食事に集中させたりと潤自身が食べる暇はない。
それに気が付いたのか和也が潤に聞く。
「じゅんくん、ちゅるちゅる、ない?」
「俺のは二人が食べ終わったらね?
気にしないで良いから食べな。」
麺と格闘している智。
「智、むずかしい?食べさせてあげようか?」
そろそろちゃんと食べさせないと少食な智は飽きて食事を終えそうなので声をかける。
「ほら、あーん、してごらん?」
潤の声に合わせて口を開く智。
小さな口に短く切ったうどんを入れる。
餌付けの気分だ…と思う潤。
それでも食べるならいいかとも思う。
その様子をみて、和也が潤の袖を引っ張る。
「かずも~、あーん?」
「お、和も?いいよ?あーんして」
そうだよな、甘えたいよな。
和也も熱あるんだもんな。
そう思い、和也の口にもうどんを入れる。
「おいちー、じゅんくん、ありがと」
「どういたしまして。ほら智もあーん」
「あー」
短く言って開いた口に食べさせる。
次は和也…とこんな調子で甘える二人に食事をさせる。