第3章 a day in our life <双子2歳>
「おーっし、二人とも帰るぞ」
と双子に声をかけ、片腕に智を反対側に和也を抱く。
「まー、今日は帰ってくるんだろ?」
「んー、今日は帰るよ、日勤だから」
「じゃ後でね」
双子を抱いた潤は診察室を出た。
外来受付近くに置いてたベビーカーに二人を載せて会計経由で駐車場へ。
会計っていっても、双子は乳幼児助成の対象なので支払いがないからあっさり終わる。
駐車場に停めた車に二人を乗せて帰宅する。
「智、和、ちょっと遅くなったけどお昼食べよう?うどん作るから」
二人をリビングの一角にあるプレイスペースに連れてきて、そのままキッチンに入る。
キッチンから見えるそこではやはりダルいのかごろごろする智ともらったぬいぐるみで遊ぶ和也の姿。
うどんを手早く準備し、二人が食べやすいように短くして小さなどんぶりに準備する。
テーブルのレイアウトを朝と変えて一人で二人の面倒が見れる状態にする。
比較的元気な和也を先に着席させ、黄色いエプロンをつけてやる。
「和、自分で食べれる?」
「かず、ちゅるちゅるできゆよ」
「お、えらいなぁ!
じゃ用意するから待ってて。
智も呼んでくるからね?」
そう言って和也のもとを離れ、すぐそばに転がっている智を抱き起こす。
「智も食べよ?」
「ちゅぅるちゅぅる?めんめ?」
「そう、つるつるのおうどんだよ?」
「めんめ、たべりゅ」
「よし、じゃ、エプロンしよう?」
智のエプロンを取りだし、着せつけて椅子に載せる。
和也には黄色のキリンの絵の描かれたどんぶり、智には青のぞうの絵の描かれたどんふりを置いた。
置かれたどんぶりを前に手を合わせる二人。
「「いたーきましゅ」」
声を揃えていただきますをして食べ始めた。