第15章 SAKURAドロップス <双子3歳>
「うん、大きくなったよね…」
双子を抱いて初めて家の門をくくった日のことを雅紀も、もちろん覚えてる。
あの時に抱いた命の重さ、温かさ。
それは今も変わらないけど、質量は明らかに大きくなった。
歩き出してそんなに経たずに腕にかかる重さが増す。
それは雅紀も同じみたいで…。
「もしかしなくても、智、寝た?」
肩口に顔を埋めてる智の様子を雅紀に聞く。
「そのようだよ?
和も…だよね?」
こちらも一応確認といった体で問いかけた雅紀に翔は無言で頷いた。
どっちかと言えば小柄の2人だけどさすがにいつまでも抱っこで歩くのは厳しいしセルフのカフェも現実的じゃないから…。
2人して近くの少しお高めのカフェに逃げ込みそこで潤を待つことにする。
眠る双子の様子に店員はなにも言わずにベンチシートの席に案内してくれた。
ゆっくりとそれぞれ眠る双子をシートに下ろし、落ちないように寝かせてひと息つく。
一瞬、目覚めそうだった双子だが眠気が勝ったのかそのまままた寝息を立てる。
翔がコーヒーを頼む傍らで雅紀は素早く潤にLINEして居場所を知らせた。