第15章 SAKURAドロップス <双子3歳>
公園から家に帰るためにバスに乗ろうと歩き始めた5人。
いつもならなんでもない距離だけどさすがに遊び疲れたのか智がまずぐずりはじめた。
「ぱぱ、だっこぉ」
そうなると和也も黙っているわけはなく…。
「まーくん、だっこぉ」
そんな2人に歩みを止めた大人たち。
「智、和、もうちょっと頑張れない?」
「もう少しでバス停つくよ?」
「翔さん、雅紀、2人ともさ抱っこしてやってそのまま駅前のスタバにでもいてよ。
俺、そこから家に戻って車取ってくるよ」
翔と雅紀が2人に言うのを聞いてた潤が当たり前のように言う。
「いや、でも…」
「結局飲まなかったしさ、お弁当作んなかったから荷物もほぼないし、すぐに戻ってくるからさ?」
言うが早いか潤はそのままバス停に向かって歩き出してしまう。
「よし、智おいで」
「和はまーくんが抱っこね?」
せっかくの潤の申し出を無駄にしないように、子ども達との貴重な時間を抱きしめるように、2人は自分たちの大事な宝物を抱き上げた。
「随分重くなったよなぁ」
嬉しそうに抱きついてきた智を抱きながら歩く翔は隣を歩く雅紀に言うとはなしに零した。