第15章 SAKURAドロップス <双子3歳>
「さて、風も出てきたしそろそろ帰ろうか?」
そう切り出した翔に当たり前のように『やだー』と返してくる双子。
「もうちょっと!」
「まだ、あそぶの!」
そう言ったが早いか双子は翔の腕にそれぞれぶら下がる。
「ね?あっちいこ?」
「さくら、きれいだよ」
「翔兄、少しぐらいいじゃん。
たまには双子と散歩してきたら?」
「そうそう、こっちは適当に片付けながらいつでも帰れるようにしとくからさ?」
雅紀と潤に後押しされた翔は双子をぎゅっと抱きしめる。
暖かな体温がくれる幸せと安心感を味わった翔。
「よし、いくか?」
その一言に嬉しそうに頷く双子は走り始める。
しばらくの間、桜の下で走り回った双子とそれを追いかけた翔。
雅紀と潤の元に戻る頃には双子の頬は上気し桜色に染まっていた。
「おかえり!楽しかった?」
「翔兄も楽しそうだったね?」
2人の声掛けに翔たちも顔をあわせて大きく頷いた。
「なんか久しぶりに智と和と遊んだ気がする。
ふたりともほんと、大きくなったよなぁ」
しみじみと言う翔に雅紀も潤も微笑みながら頷いた。