第15章 SAKURAドロップス <双子3歳>
お弁当を食べ終わり暖かな日差しになんとなくまったりとした時間が流れる。
普段、保育園のお散歩で来る公園だから慣れたもので双子は翔たちの近くで走ったり、同じ園の友達を見つけて楽しそうに遊んでいる。
それを翔はのんびりと眺めてた。
しばらくして少し風が出てきた。
風に花びらが舞う。
ちょうど戻ってきた双子が顔を見合わせて両手を空に向かって広げた。
「ねー、ゆきみたいだよ」
「あのね、いっぱい、つもったら…つくるの」
「作るって何を?」
翔の問いかけに2人は声を揃えてこう言った。
「さくらのゆきだるま!」
「しゃくらのゆきだるま!」
「ぴんくでかわいいよ!」
「ちゅめたくないの!ふかふかなの!」
双子があまりにも楽しそうに嬉しそうにいうものだから大人たちはその言葉を否定出来なかった。
『そんなの無理だよ』
そう言ってしまうのは簡単だけど…。
それは自分たちで体験してからでもいいと思う。
「そっかあ、桜の雪だるまか…」
「ふたりともロマンチストだね」
「もう少し降ってこないと難しいかもね?」
3人の優しい眼差しを受け止めた智と和也が分かってるのかいないのか『うん』と大きく頷いた。