第3章 a day in our life <双子2歳>
車を停め、保育園に入る。
カードキーを通し、連絡をもらっときに言われた通り職員室に向かう。
建物の構造の関係で職員室側のドアは手持ちのカードキーでは開かないのでインターフォンを鳴らし解錠してもらう。
靴を脱いでいると智と和也の担任の一人がやって来た。
「松本さん、お仕事中にすみません。
智くん、こちらで寝てます。どうぞ」
「ご迷惑をお掛けします」
担任が職員室内に潤を誘導する。
施設長の席の後ろの扉の奥にあるベビーベッド。
そこに智が寝かされていた。
頬が赤くなりいかにも熱がありますという顔をしていた。
潤が来たのが分かったのか手を伸ばし起きようとする智。
「あらら、顔赤いね?」
智の顔を見て一言呟く潤。
その声に反応したかのように智も言う。
「じゅーく、きた?」
ベビーベッドに近づき、声を掛けながらそっと抱き起こす。
「智、おまたせ?潤くん、きたよ?
まーのところ寄ってからおうち帰ろうね?」
体温の高い智を抱きながら担任に後から和也を迎えに来ることを伝えようとしたとき、誰か職員室に入ってきた。
見ると同じく智と和也の担任。
腕の中には和也がいた。
状況を瞬時に理解した潤。
「和も…ですか?」
言葉こそ疑問形だかあきらかな確信が含まれている。
担任の先生は申し訳なさそうな顔で頷いた。