第14章 虹のカケラ <双子5歳>
「それでいいと思うなぁ」
潤がため息混じりにいう。
「昨日の飲み会でも話が出てたんだよね…その子のこと。
もちろんと言うべきかは分からないけど参加してなかったのね、そこのお母さん。
でね、智たちだけじゃなくて涼介くんや侑李くん、ひなちゃんとかもみんな痛い目みてるみたいだよ」
潤の話を聞いてますます頭が痛くなる翔。
爪弾きにはしたくないけどかわいい我が子を辛い目に合わせたくない。
「とりあえず、智たちの気持ちを先生達に話してみる。
うまくやれるようになるまで、出来るだけ距離を置いて欲しいって。
その子、他にお友達いるのかなぁ…」
「いるみたいだよ。
だから翔さんが気にしてるみたいに孤立することはないよ。
まぁ、そのお友達も智たちにちょっかい出して来るみたいだけどね」
「そっかぁ。
成長過程とはいえ、難しいなぁ。
大人ならさ、そこは自分の感情をうまく押し殺してでも上手くやろうとするけど…。
あの子たちにそこまでは望んじゃダメだよな」
翔が残ったアイスコーヒーを啜りながらいう。
「そりゃ、無茶だよ」
潤が大きく伸びをしながら言った。