第14章 虹のカケラ <双子5歳>
智と和也の話を纏めると5歳児クラスになってから入ってきた子に揶揄われたのが嫌だったという。
「ぼくね、まゆせんせえがいつもいってることをいっただけなのに!」
智が珍しい頬を膨らませて訴えてくる。
その子がクラスに入ってきた当初からそ双子たちからしたら当たり前の保育園のルールやクラスでの決め事を教えてあげたという。
でもなかなかそのルールに従わないその子は双子たちからだけではなく、他の園児からも何度となく言われたらしい。
ところがそれが気に入らなかったその子はそれから双子に意地悪をするようになったという。
「なんども、やめてっていったのに…」
和也が悔しそうに呟く。
揶揄うネタを見つけたその子は先生達に注意されてもなお、2人のプライドを傷つけるようなことを言い続けたという。
「2人ともたくさん我慢したんだね…。
偉かったね」
雅紀が少し涙目になりながら2人を褒めて抱きしめる。
翔と潤は顔を見合わせ、どうするべきか思案しはじめた。
何度言っても聞かないなら…無理して付き合う必要もない気がする。
そう思った翔は雅紀と潤に自分の考えを話した。