第14章 虹のカケラ <双子5歳>
「そうだ、アイス食べない?
ちょうどサーティーワンでキャンペーンやってるし」
暗くなりかけた空気を雅紀が一言で崩す。
「あ、いいかも。暑い日にアイスは美味しいもんね」
潤もその案に乗っかる。
「だな?でも俺、アイスよりスタバがいいかも…」
翔がそう言うと雅紀がにっこり笑って双子の手を取った。
「あそこなら全部叶うから行こうよ?」
雅紀はそう行って駅ビルに向かって歩きだす。
「ふたりとも楽しかった?」
翔が聞くと二人揃って少し複雑な顔をしたまま頷く。
これはちゃんと話を聞かないとと思った大人たち。
雅紀が取ってくれた席に座り、アイス組とスタバ組に分かれてまずは糖分補給をしながら少しずつ双子の話しを聞き始めた。
「なるほどねぇ…そういう事だったんだ」
ラムレーズンのアイスを食べながら潤が頷く。
「よく我慢したね、智も和もお兄さんになったね」
ポッピングシャワーをスブーンに掬った雅紀がとびきりの笑顔で双子に笑いかける。
「でももう、我慢しなくていいよ。
パパたちからまゆ先生に伝えるから…」
翔は安心させるような声色で2人の頭を何度も撫でながら言った。