第14章 虹のカケラ <双子5歳>
夜の飲み会は無事に終わり、翌朝、仕事終わりの翔も合流して珍しく3人で迎えに行った櫻井家の大人たち。
3人の姿を見て嬉しそうな顔をした双子だが次の瞬間、笑顔が崩れた。
何があったのかわからない翔たちに担任のまゆ先生が事情を説明する。
「すみません。ちょっと朝、お友達とぶつかっちゃって。
多分、すごく楽しかったんだと思うんです、智くんも和くんも。
でもそのせいで夜、おねしょをしちゃって。
子どもたちに見つからないように着替えさせてたんですがタイミング悪く見ちゃった子がいて…。
で、その子が二人をからかったせいで喧嘩になってしまって…」
「そうなんですね…ご迷惑をおかけしました。
あとはこちらで話しますから」
翔がまゆ先生に頭を下げる。
「あの、叱らないであげてくださいね?
多分、智くんも和くんもプライドが傷つけられたんだと思います。
小さくてもそういう部分はもうしっかりしていますから。
相手の子にもきちんと話はしましたので…。
和くん、智くん、もう大丈夫だからまた月曜日から保育園でたくさん遊ぼうね?」
そういってギュッとまゆ先生にハグされた双子。
まゆ先生の腕の中で小さく頷いた。