第14章 虹のカケラ <双子5歳>
いつもよりもだいぶテンションの高い双子はいつもよりもだいぶ早く朝の支度を終えて、早く保育園に行こうとせがむ。
そんな二人の様子をみながら潤と顔を見合わせる翔。
「あのテンションで一日、持つと思う?」
「うーーんどうだろう?
まぁ昼寝もあるみたいだしきっとなんとかなるんじゃない?」
潤はそう言いつつも明日の朝はいつもより荷物が増えるかもと思わずにはいられなかった。
いつもように保育園に送っていった翔もクラスのあまりのテンションの高さに言葉が出なかった。
玄関で友達合えばハイタッチ。
保育室に入ればジャンプしながら走り回る。
なかなかないレベルのテンションに驚く翔に担任は慣れた様子で大丈夫と笑ってみせた。
「例年、こんな感じですから…。
ただいつもと違うので普段、おねしょのない子でもおねしょすることがあったりします。
いつもと違う分、いろいろありますがちゃんと対処しますので安心して預けてください。
子どもたちの様子も何回かは園からメールでお伝えします。
明日は10時にお迎えをお願いします」
連絡事項を頭に刻み込んだ翔はお願いしますと頭を下げて教室を出た。
それに気づいた双子が笑顔で手を振る。
その姿に二人の成長を感じて少し泣きたい気分になった。