第14章 虹のカケラ <双子5歳>
翌朝、外はきれいな青空。
まさに台風一過とはこのことというような青空に潤の顔に安堵と笑みが浮かぶ。
「翔さん、夜中に呼び出されなくてよかったね」
「ほんとだよ。まじで助かった。
見事に夜中に過ぎてくれたし…智たちも安心して行けるね?」
「そうだね。
ね?本当に参加できないの?」
こちらも決行されることになった飲み会。
もともと欠席と聞いていたけど念のために聞く潤。
「悪いな、この時期、夏休みに順次入りだすから夜の当番の回数が増えるの。
したがって今日は予定通り、泊まりです。
さて、双子たちを起こしてくるか?」
そう言って立ち上がった翔の足元に勢いよく抱きついてきた双子。
「ねーねー、おとまりほいく、ある?」
「おそと、はれ?たいふーいなくなった?」
朝の挨拶をすっ飛ばして聞いてくる双子に苦笑する翔と潤。
「おはよう、智、和。
台風は夜中に通過したから大丈夫だよ」
「そうそう、外はすごくいい天気だから大丈夫。
だから、ちゃんと朝ごはん、食べようね?」
双子の席にきれいに盛り付けた皿を置く潤。
これを合図に櫻井家の朝食が始まった。