第14章 虹のカケラ <双子5歳>
潤が双子のパジャマと下着を脱衣所に準備していると風呂場から楽しそうな笑い声が聞こえてきた。
双子は吸入を頑張る代わりに翔とお風呂に入るというので今は親子三人でのんびりバスタイム中だ。
「ふたりとも、いい加減にお風呂終わりにして?
寝る時間がなくなっちゃうよ?」
楽しそうな時間を邪魔するのは気が引けたが時間を考えるとそうは言っていられない。
「はーい!」という元気な声とともに扉が開き、湿気が一気に脱衣所に流れ込む。
「潤くん、ふいて!」
智が甘えるように言えば、和也も「ぼくも!」と体を寄せる。
そんな二人を大きなバスタオルで一気に包んでちょっと乱暴に頭を拭く潤。
ところがその少し乱暴な拭き方が双子にとっては面白いらしく二人してキャッキャキャッキャと笑いながら潤の手に身を委ねている。
バスローブを着た翔と二人で、双子の髪を乾かし、パジャマを着せた。
「よし、終わり!あとは吸入だけね?」
潤がそう言うと顔をしかめる双子。
でもお泊り保育がかかってるからここは素直に吸入をする。
「お、上手じゃん」
着替えた翔が二人を褒めると、それは嬉しそうな顔で笑う二人。
ご褒美のジュースを飲んでいつもよりも少し早く部屋に向かった。