第14章 虹のカケラ <双子5歳>
今年の卒園対策委員は涼介の母親である莉那と侑李の母親の千秋、途中入園組を代表した大貴の母親の英子が先に決まっていた。
園としては毎年4人で回していることからもう一人というリクエストがあった。
そこでもう一人はぜひパパたちからということになり三人に引きずり込まれた潤が担当することになった。
その4人が保育室の隅で立ったままミーティングを開いていたわけだ。
5月の頭にキックオフを兼ねて行われたBBQは大成功させた4人。
更なる親睦をと言う名目で例年通り、飲み会を企画してクラスの8割から出席をもらっていた。
ところがこのタイミングでまさかの台風。
頭が痛いのは子どもたちと同じだった。
「じゃぁ、最終判断は明日の夕方にしましょう」
こういう時、リーダーシップを発揮する莉那が決断した。
「了解、じゃ、メーリングリストには私が流しとくね?」
莉那の右腕状態の千秋が実務を引き受ける。
「じゃ、私が最終的な人数を取りまとめするから確定人数でお店と交渉してもらってもいいですか?」
英子が潤に話を振る。
もちろん潤に異存はないので英子たちに頷き返す。
完全に役割分担が決まっている4人。
至って平和だったりする。