第14章 虹のカケラ　＜双子５歳＞

「ねぇ、ほんと、どうしようか？」


「そうだよね…そろそろ決めないとお店、キャンセル出来なくなっちゃうよね…」


「なんとかなりそうな気もするけど…」


「もう一回、ギリギリのところで意思確認したらどうですか？」

子どもたちを迎えに来たローズ組の卒園対策委員が子どもたちの様子を見ながら真剣な顔で話している…。

ここのところの保育園での話題は台風とお泊り保育一色のローズ組さん。

それはなにも子どもたちだけではなくママ達もだったりする。

お泊り保育の際には親も恒例行事がある。
それはズバリ飲み会。

普段は子どもがいるから飲みに行けなかったり、行っても帰りを気にしないといけないママ達もこの日は帰って待ってる子どもがいないわけで…。

もちろん上や下に子どもがいる家はその条件にはまらない部分はあるもののそこはパパたちがフォローするもいうのが慣習になっている。

5歳児クラスになると伝統的に卒園対策委員なるものが保護者の間で結成される。

主な役割は謝恩会の準備と実行、卒園式での謝辞および卒園記念品の手配など。

でもそれだけじゃなくてこの飲み会の仕切りも大事な役目だ。
だからこそ、決行するかで頭を悩ませていた。