第3章 a day in our life <双子2歳>
今日のクライアントはカリフォルニアに拠点を置くアパレル系のクライアント。
新規事業立ち上げの際の商標関係のコンサルと今後必要になる届け出などの打ち合わせがメイン。
日本国内にもきちんと法人があるが、現地の担当者が細かいことは潤と話したいと言うことになり今日のミーティングが持たれた。
主要な部分の話し合いが終わった頃、潤のスマホに着信があった。
発信元に目をやると…【保育園】
これは出ないとまずい。
クライアント側もWebカメラの向こうの潤の表情に何かを感じたんだろう。
声をかける。
「What's up?(なにかあった?)」
「Wait a minutes. Calling from nursery.
(すいません、保育園から電話が)」
「O.K. It doesn't matter. I'll wait.
(気にしないで取って、待ってるから)」
そういってカメラ越しに微笑むクライアント。
「Thanks!(ありがとう!)」
そういって素早くスマホをタップする。
「おまたせしました、松本です」
嫌な予感はあたる。
この時間の電話は十中八九、保育園からのお迎え要請。
電話越しに保育園の担任から智の発熱が告げられる。
このあとの後のことを頭の中で反芻しつつ迎えに行くことを伝えて電話を切った。