第12章 promise <双子10歳>
「とりあえず二人とも、そこに座りなさい」
翔が真剣な顔で二人をソファーに促す。
翔の迫力に逆らえるはずもなく、智も和也もおずおずとソファーに腰を下ろした。
小学校5年生になった二人は最近ではこんな風に叱られることも減ってきた。
久しぶりのシチュエーションに二人とも内心びくびくしていた。
「ねぇ、二人とも…これなに?」
翔が愛用のタブレットを二人の前に差し出す。
そこには何枚かの写真画像があった。
明らかに成人した女性と一緒に並ぶ和也の写真。
女子高生と思わしき制服姿の女の子とツーショットの智。
智と和也が手をつなぎ、仲良く顔を寄せ合ってる写真もあった。
「これ…」
和也が小さく呟く。
智も画面を凝視していたが…あっと息を飲んでいる。
「これ…ディズニーで撮った奴じゃない?」
「そうだ…春休みに学童の卒所遠足で行った時に…」
明らかにまずいという顔で和也が状況を話しはじめた。
曰く、学童の最後の遠足で4年生と指導員だけでディズニーランドに行った時に半ば無理矢理一緒に撮ったものだという。
「二人とも?これダメだよね?
俺たち、いつもなんて言ってたっけ?」
雅紀が真剣な顔で二人に言った。