第11章 ハッピーバースデー大作戦 <双子12歳>
お昼ごはんを食べた智と和也は塾の支度をすると紙袋を大事に抱えて家を出ていった。
使い終わったキッチンもきっちり片付いている。
コーヒーを淹れた3人は残ったクッキーを食べながらちょっとしみじみムード。
「あんなにちいさかったのに…はやいなぁ」
「そりゃ、俺達も年取るわけだよね?」
「えー俺、まだ若いつもりだけど?」
そんなことをいいながら過ごす昼下がり。
こうやってのんびり出来るようになったのも…また家族の成長ってやつなんだろうなぁなんて翔は思った。
一方、塾へと向かった双子。
塾といってもこのクラスは中学受験を終えた子たちが在席する補習的なもの。
しかも小規模ゆえに学年を混ぜた状態のクラスだからいたってのんびり。
まして、どの学校も中間試験が終わった直後。
今日の空気は更に緩い。
「圭人先生、もう今日は終わりにしようよ!」
「そうそう、今日ぐらい
のんびりしてもいいじゃん!」
「智くん、和也くん…。
先生もお金もらってる以上はちゃんと
やらないと…だからさぁ、あと少し!
このプリント終わったら
少し早く切り上げるから、ね?」
そういう岡本先生から素直にプリントを受け取った双子は競うように問題を解き始めた。