第3章 a day in our life <双子2歳>
双子たちが保育園へ登園したあとの家の中は灯りが消えたかの様に静かになる。
その静かな家にひとり残った潤は時計を見ながら今日のスケジュールを頭の中で確認する。
今日は特に外での仕事の予定はない。
クライアントとのミーティングタイムまで家事に専念することにした。
3人が同居し、双子を育てはじめてからこの家にはいくつかのルールが出来た。
それは【やれる人間がやれることをやる】【無理はしない】【必要ならばアウトソースする】の3つ。
もちろんこのほかにも細かいルールは徐々に増えてるけどこの3つが基本になっている。
育児休職中の翔がすべて抱えこんでパンクしたり、双子を保育園に預けることに罪悪感を感じたりと色々あった中で出来たルールというか基本方針。
みんなで共有したらなんか楽になった。
基本的に料理を含め家事能力の高い潤。
しかも自分のスケジュールで動ける彼に家事のウェイトが掛かっているのは事実。
しかし、潤はそれを苦とはおもっていない。
翔も雅紀もそれなりに家事は出来るので潤が対応できないときでもなんとかなっているのがこの家の現状。
朝食の片付けをして、洗濯機を回し、その間に掃除機をかける。
簡単に出来ることを終えて時計を見ると10時を少し回ったところ。
パソコンをオンラインにし、Skypeを繋いでおく。
あとは先方からの呼び掛けを待つ。
つくづくネット社会に感謝する。
この時代だからこうやって在宅も可能だからだ。
一昔前ならこうはいかない。
5分も待たずにSkypeからメッセージが届く。
Skypeを繋いだクライアントとのミーティングがはじまった。