第9章 小さな恋のうた <双子4歳>
買い物を終え家に戻ってきた4人。
時計を見ながら翔がふたりを昼寝に誘う。
保育園でとなかなか昼寝をしない智と和也。
特に土日はほとんど昼寝をしない。
わかっていながらも翔は二人を誘った。
「お昼寝して起きたら昨日のお手紙の続き、しよ?
パパも手伝ってあげるから、ね?」
「でも、さと、ねむくないよ?」
「かずもー!あっちであそぼー?ぱぱ!」
「パパは眠いよ?だからさ、一緒に寝よう?」
「「えーー」」
智と和也が抗議の声を上げると潤がフォローする形で提案する。
「じゃあさ、和室にお布団敷くからそこでゴロゴロだけしたら?
翔さんとお話しながらでいいからさ?
俺もやることやったらそこに混じろうかなぁ」
「潤くんもいっしょにごろごろしよ?」
「うん、潤くんもいっしょー、さともごろごろー」
双子の勢いに結局折れた二人。
わいわい言いながら和室に布団を敷き、双子が端から端まで文字通りゴロゴロと転がる。
たまにぶつかっては笑い、笑っては転がり…。
そのうち徐々に動きがゆっくりになり遂には二人、布団の上で動きが止まった。
翔と潤が顔を合わす。
「寝ちゃったね?」
「いかにも子どもだよね?」
小さく笑う二人。
まるで電池が切れたような寝方に笑みが溢れる。
「じゃ、俺、ちょっとやることあるから翔さんはゆっくりしてて?
たまにはのんびりな土曜日もいいでしょ?」
そう言って出ていく潤。
翔はその言葉に甘えて双子の間で昼寝をすることにした。