第9章 小さな恋のうた <双子4歳>
おもちゃのために頑張って食べたふたりは運がいいのかそれぞれ欲しがってたプラレールを手に入れてご満悦だ。
もっとも翔と潤はそれぞれシール貼りの苦行を強いられたので微妙な顔をしていた。
「さて、お買い物して帰ろうか?」
潤の声をきっかけに併設のスーパーに向かって歩き出す4人。
「ぼくみっきーにする!和は?」
「ぼく…とーますがいい!
翔ちゃん!おねがい!」
未だにスーパーに来るとカートに乗りたがる二人。
まぁ、大人一人の時には言わないところをみるとそれなりに空気は読んでるのかもしれない。
なので大人が二人以上いればここぞとばかりにおねだりをする智と和也。
翔たちもその辺はわかってるので最大限希望に沿うようにしている。
「トーマス、あるといいね」
急いでと言わんばかりに腕を引っ張る和也に翔がのんびりと話しかける。
「和ぅーとーますないよ!」
先に飛び出した智が潤と共に和也に伝える。
「えーーー、和、とーますがいい!」
「でも…びかちゅうはあったよ!」
一瞬曇った和也の顔が一気に明るくなる。
「パパ、びかちゅう!びかちゅうがいい!」
駆け出した和也とそれを追いかける翔。
なんとかピカチュウのカートに乗り満足そうな和也。
それぞれ気に入ったカートに乗っておとなしく買い物に付き合った。