第9章 小さな恋のうた <双子4歳>
翌朝、いつもよりも早起きな双子に起こされる翔と潤。
「パパ、おーきーてー」
「潤くん、おうまさんしよ?」
平日はなかなか起きないくせに土日になると途端に早起きな双子に土日位ゆっくり寝たいと思う翔たち。
静かな攻防が今朝も繰り広げられていた。
翔の部屋を襲ったのは和也、潤の部屋には智が潜り込んだ。
翔の布団の上に乗っかり翔のことを揺する。
「んー?和?どしたの?まだパパ眠いよ?」
「パパぁ、あさですよ。
おきないとだめなんだよー!
おきてくださーい」
「土曜日だしまだいいじゃん……」
そのまま布団を被って寝ようとする翔。
「だめー!おひさまでてるよ!
おめめとけちゃうよ?」
保育園がなく翔がいる土曜日。
和也としては1秒たりとも無駄にできないという風情で容赦なく起こす。
「まーくん、もうびょーいんいっちゃったよ」
その一言にようやく体を起こす翔。
和也はベッドの上に座る翔の背中に乗ってご機嫌だ。
「和…朝ごはんは?」
「まーだー」
「お腹、空いた?」
「うん!」
頷く和也に翔は二度寝を諦めた。
一方、潤の部屋に入った智は寝ている潤に声をかけながらベッドの足元から布団に潜り込む。