第9章 小さな恋のうた <双子4歳>
「この辺の認可園は休園する場合は
期限が1か月って決まってるんだよ。
でね、その1か月っていうのが
ちょっと微妙でカレンダー上、
1日でも出席してると
そのカウントに含まれないんだって。
だから来月の1日が月曜日でしょ?
その日だけ出席して履歴を残して、
来月は丸々1か月休園でさらに再来月、
月末までに登園すれば籍は守れるわけ。
年少さんは空きが少ないからね…。
この辺の幼稚園は年中からが殆どだし
延長保育も少ないから…。
うまくやらないと
あっという間に退園なんだよ、」
「ふーん、保育園っていうのも
いろいろあるんだね」
雅紀が潤の説明に複雑そうな顔をする。
「まぁ待機児童が多いからなんだろうね。
保活なんて言葉があるぐらいだからさ。
色々難しいみたいだよ」
潤も何とも言えない顔をして答えた。
その二人の話を聞きながら翔が双子に聞く。
「で、二人とも書き終わったの?
そのさとみちゃんへのお手紙」
翔の問いに双子は首を振る。
「あのね…ひらがながむずかしいの…」
「じょうずにかけないの…」
泣きそうな顔の二人。
「じゃ、明日、
パパたちと一緒に頑張ろうか?」
翔が二人の頭を撫でながらそういうと二人に笑顔が戻った。