第8章 お正月 <双子6歳>
二人が赤ちゃんの頃にお風呂用のおもちゃとしてかった黄色いアヒルのゴム人形。
なぜかふたりともお気に入りで何度かか買い替えている。
そのアヒル隊長がいるという。
「じゃぁ、行ってみる?」
一足早く飲み終わった潤が二人に聞く。
「潤くん!行こう!」
「はやくはやく!」
二人は潤の両腕にしがみついて強請る。
「俺、行ってくるから、待ってて。
このあとのプランでも考えといてよ?」
翔と雅紀にそういうと潤は二人をつれてミュージアムショップへと出掛けた。
「ね?潤くん、アヒル隊長いたでしょ?」
智がドヤ顔で言う。
「すごい、いろんなアヒル隊長がいる!」
和也は何種類かいるアヒル隊長に釘付けだ。
『rubber duck』と書かれたアヒル隊長たち。
ツタンーメンやローマの兵隊、バイキングに兜を被ったアヒル隊長。
それにローマの神様のようなアヒル隊長まで。
「これ、面白いね!」
潤もそのコスプレしたアヒル隊長にすっかり魅入られた。
「二人とも、これ、お土産に買っていこう?
好きなの選んでいいよ?」
「ほんと?潤くんありがとう!」
「潤くん、大好き」
二人ともそれぞれアヒル隊長を手に迷いはじめる。
「俺もお土産に買っちゃおう!」
潤は豪快に全種類を手にした。