第8章 お正月 <双子6歳>
「うん、ホントか嘘かわからないんだけど大英博物館にあるらしいんだよね。
前に来た時に探したけど見つからなくて…」
マンガ好きの雅紀は以前読んだマンガで水晶髑髏をみたという。
「あれってマンガの中だけじゃないの?」
その雅紀から借りた本を読んでいる潤が疑わしげに言う。
「いや、あるらしいよ、大英博物館に。
ほら、ここにも」
翔がそう言って見せたのは大英博物館の展示品の一部が紹介されている冊子。
「うわ!マジだ。すげー!ホントにあったんだな!」
雅紀が興奮気味に言う。
「あーでも、オーパーツっていう話は嘘かぁ。
残念。
昔、マンガで読んだ時に凄いドキドキしたのに」
「とりあえず、探してみようよ?」
潤の提案で水晶髑髏を探しながら他の展示品を見ていく。
「お、智、和、これこれ」
翔が指差したのはルイス島のチェス駒。
ハリーポッターシリーズの1作目に出てきたチェスの駒だった。
「すごーい!本物?」
「これ、映画で見たよー!」
「ねー、ハリーとロンがやってるんだよね?」
智も和也も映画で見たものと同じものがあるということに嬉しさを隠さず見つめていた。
その後、雅紀と潤のお目当ての水晶髑髏をみたり、日本コーナーを覗いたりと様々な展示品をある時は早足で、ある時はじっくりと見ながらざっくりと廻った5人。
「そろそろ休憩にしよう」
という雅紀の一言で、休憩することにした。