第3章 a day in our life <双子2歳>
「ぱぱ〜!い〜く〜よ〜」と大きな声で翔を呼ぶ智。
「じゅんくん、ってきましゅ」と潤に声をかける和也。
二人分の荷物を抱え、スーツを着た翔も玄関にやってくる。
「潤、そろそろ行くね?
二人のお迎え、よろしくね」
今日は潤がお迎えの日なので翔は念のため潤に声を掛ける。
「じゅんくん、おむかえ〜♪」とご機嫌な和也。
「はやくかえる〜?ね?」と早めのお迎えを要求する智。
「智、ごめんね、早迎えは難しそうだよ」
潤は申し訳なさそうに言う。
「智、潤も仕事があるんだから我がまま言わないの」
翔が智をたしなめる。
智の目に浮かぶ涙に潤が慌てる。
「智、ごめんね。
なるべく早く行くようにするから。
夕飯は智の好きな魚にしようね?」
「おしゃかな?」
智のテンションが変わった。
よし!と思った潤と翔。
「そう、お魚。何がいいかな?
お刺身にしようか?
それとも焼き魚にする?」
「んーと…」
考え始める智に時間を見ながら潤が言う。
「帰りにお買い物しながら決めようね?
和も保育園、楽しんでおいで」
「うん!じゅんくん、バイバイ」
和也が手を振ると智も真似て手を振る。
「ほら、二人とも行くよ?」
翔が声をかけ、二人をチャイルドシートに乗せる。
二人ともぐずることなく楽しそうに座ってるので翔としてはありがたい限り。
車で駅前にある保育園に向かう。
二人の通う保育園は私立の保育園なので何かと融通が利くので助かっている。