第8章 お正月 <双子6歳>
「だーよーねー。
潤ちゃん、もう寝よっか?
今日は双子たちの隣、俺たちで埋めちゃおう?
翔兄、一人で寝て反省しなね?
いい加減、わかってよね?さすがに怒るよ?」
雅紀がにっこり笑いながら翔をにらんだ。
まずいと思った翔がその場で謝る。
「わかればよろしい」
雅紀が兄を抱きしめて言った。
「翔兄?どうしたの?なんかあった?」
「いや…。なにも…ないよ?」
「だったら余計なこと、考えないでよね、翔さん。
突然あんなこと言われたらビビるじゃん?
ってか次にそんなこと言ったら…どうしようか?雅紀」
「そうだね…罰ゲーム、なんか考えとこうね?
ね?翔兄、一人で抱え込まなくていいんだよ?
普通とはちょっと違うかもしれないけど…これがうちの理想の形なんだからさ。
何かある時はちゃんと話そう?ね?」
雅紀の明るい口調に翔の顔にわずかだが笑顔がもどった。
「うん…ごめん。
なんかアルコール、まわったのかも…」
「んじゃ、寝よう?そろそろ」
あえてそれ以上、雅紀も潤も詮索しなかった。
そのままベッドに戻り眠りについた3人。
思った以上に疲れていたのか、あっという間にそれぞれ深い眠りに落ちていった。