第3章 a day in our life <双子2歳>
きゃっきゃっと嬉しそうにおしゃべりを続ける二人に時計を見ながら翔が声をかける。
「智、和、早くお席について。
朝ごはんの時間だよ~、保育園遅れちゃうよ」
「ごはん~ごはん♪」
「まーくん、ごはん、く~だ~さいっ」
それぞれに答える智と和也。
歌っているのは智。
丁寧なのは和也。
双子とはいえ二卵性なので一卵性のようにシンクロするわけではない。
「今、出すから二人ともエプロンして」
雅紀が二人にというかその隣にいる二人の大人に声をかける。
「ほら、智、エプロンするよ」
と青い食事用のエプロンを智に着せる潤。
翔はお揃いの黄色のエプロンを和也に着せる。
二人がエプロンを着けたのを見計らって、雅紀が朝食を二人の前に出す。
食べやすいサイズに切ったトーストにスクランブルエッグ、ミニトマト、ハムにチーズ、そして二人の好きな苺。
それらが一つの皿に綺麗に盛り付けられている。
「だきましゅっ!」
「いただきましゅっ」
小さな手をあわせていただきますをしてから食べ始める。
智と和也の席は基本、斜向かいになっている。
仲の良い双子は隣同士にすると遊ぶほうに夢中になり食事が進まない。
隣に座る大人はその時々で変わる。
雅紀はシフト勤務で居ないこともあるし、翔や潤もそれぞれに仕事の状況によって朝食の時間に居ないこともあるからだ。
固定にすると隣に大人が居ない日が出来てしまう。
それを避けるために固定していない。