第3章 a day in our life <双子2歳>
階下のダイニングキッチン。
背の高い男性が朝食の準備をしている。
その足元に駆け寄る二つの影。
「おはよう、智、和。
ふたりとも任務成功だね!」
「まーくん、ぱぱ、おっきしたよー」
「まーくん、じゅんくんにゆきだるましたのー」
まーくんこと相葉雅紀。
彼もこの家に住む家族の一人。
双子の母方の伯父にあたる。
ちなみに潤は双子の父方の叔父にあたる。
「雪だるまって…瞼、無理矢理あけるやつ?」
トーストを食卓に運びながら、その被害者である潤に聞く。
「そう、あれ」
ため息をつきながら答える潤。
寝ているところを無理矢理、起こされるだけでも苦痛なのに…。
瞼を無理矢理あけるのは、たとえ子どもの力とはいえ辛い。
「和、雪だるまはだめだよ。
もう雪が降る時期じゃないでしょ?
ほかの起こし方、してあげてね」
雅紀が理由になっているのかいないのかわからない内容で和也にやんわり注意する。
「ゆきだるま…めー?」
小首をかしげて聞く和。
あまりのかわいさに思わずいいよと言いたくなるけどこれ以上の被害を増やさないためにもここはきちんと言わないとと翔は顔を引き締めて言う。
「そうだね、雪だるまは…ダメだね」
大好きな父親に弟が注意されてるのをみて智が和也に言う。
「かじゅ、ゆきだるま、めーね?」
「さと、めーだって」
双子たち、果たして理解したのか…。
二人で楽しそうに話してる。
「かじゅ、どん、たのしいよ♡」
自分の起こし方が注意されていないことをいいことにとんでもないことを提案する、智。
「さと、どん、たのしいの?」
当然、同調する和也。
「うん♡」
「じゃ、かず、どん、するー」
いやいや、それもダメだろうと翔は思う。