第8章 お正月 <双子6歳>
くまのぬいぐるみを大事そうに抱えた智が雅紀と戻ってくる。
「和?なんか欲しいものとかあったら言っていいからね?」
翔はそう言って和也をみた。
「うん、翔ちゃんありがとう」
和也は翔にそういうと戻って来た智と手をつなぐ。
「智よかったね?クマくん、一緒に帰れるね?」
「うん!和は?いいの?」
「ぼくはいいの。お部屋でみんな遊べる?」
「うん、戻ったら遊ぼうね?」
智と和也はニコニコしながら話している。
「さ、じゃぁそろそろ行こうか?」
雅紀の一言でHarrodsを出た5人。
そのままTubeに乗って二駅戻り、一旦B&Bに戻った。
増えた荷物を部屋に置き、子どもたちの昼寝時間を取ることにした。
「2人とも少しお昼寝しよう?」
雅紀が2人に言う。
「えー?さと、今、眠くないよ?」
「でもさ、少し休まないと…お熱でたら出掛けられなくなっちゃうよ?」
「ベッドにごろんしてるだけでもいいから?ね?」
そう言われて素直に従うことにした智と和也。
しばらく本当にゴロゴロしてたが、あっという間に眠りについた。
2人にブランケットを掛けながら翔が言う。
「大きくなったと思うけどやっぱり寝顔は小さい頃と変わんないね?」
「うん、やっぱり天使だよね?」
潤が笑みを浮かべたまま頷く。
「なんかそんなことを言っちゃう俺たちって親ばかみたいだよね?」
雅紀も微笑みながらいう。
とても平和な午後の時間が過ぎて行った。