第8章 お正月 <双子6歳>
「うん、言ったよ、4th Floorって。それがどうしたの?」
「でもさ…僕、エスカレーターで登ってくる時に数えたけど…ここ5階だよ?」
和也が納得いかないという顔で言う。
「フォーって4のことだってジョージ言ってたよ?」
智も疑問に思っていたのかなんで?と顔に書いて聞いてくる。
「あぁそれね?」
2人の言いたいことがわかった翔。
なるほどと思いつつその着眼点に感心した。
「イギリスの階数の数え方って日本とは違うんだよ。
イギリスは1階をGround Floorっていうんだよ。
日本語だと…地上階ってかんじかな?
でその上にある階を1st Floor, 2nd Floorって言っていくの。
だから日本の5階はイギリスでは4th Floorって言うの。
2人の言ってることは間違ってないよ」
「アメリカでは日本と同じ数えかただよ?」
翔たちの話を聞いていた潤がフォローする。
「だからね、アメリカ人とイギリス人が待ち合わせすると会えないなんて笑い話もあるんだってよ?」
雅紀もそう言って2人に話す。
「うーんとそれはアメリカの人が2階で待ってるね、いうとイギリスの人は3階で待っちゃうってこと?」
和也が指を動かしながら聞く。
「そう、まぁあくまでも笑い話だけど…実際にありそうだよね?」
雅紀が和也の頭を撫でながら言った。