第8章 お正月 <双子6歳>
4th Floorのカフェで落ち合った5人。
期間限定で営業しているらしいディズニーのカフェはさすがロンドン。
ピーターパンやプリンセスがモチーフとして使われている。
モニターがいくつかあってそこでディズニー映画が流されているから智も和也も釘付けだった。
ほかにも塗り絵が出てきたりと子ども向けサービスがたくさんだった。
「そっかぁ、智、きつい匂いダメだもんね」
翔が智の顔を見ながら言う。
「確かにあの匂いは苦手な人間にはきついよなぁ」
潤も同意をしめす。
「で、何買って来たの?」
雅紀が2人の持っていたビニールのショッピングバッグを見ながら聞く。
「やっぱりさ、ベタだけど紅茶とあとチョコレート。これは事務所用ね?」
潤が答える。
「雅紀、買い物しなくてよかったの
?」
「おれは紅茶はハロッズのじゃなくてF&Mのを頼まれたからそっちかな?
看護師さんたちからのリクエストだから買って行かないとヤバいんだよ」
「あ、おれも行きたいから、Fortnum & Mason」
翔が喰い付く。
「B&Bの近くだよね?帰りに行く?」
「あぁそうしようか?雅紀それでいい?」
「勿論、異論はないよ」
雅紀が笑いながらいう。
「ねーねー、翔ちゃん」
大人たちの話が終わったところをみて和也が話しかける。
「ん?どうした?和」
「ここって4thフロアーって言ってたよね?」
和也が心底不思議そうな顔で翔に聞いた。