第8章 お正月 <双子6歳>
「このあと、どうする?翔さん」
潤がとなりにいる翔に話しかける。
「どうしようか?近場だと目の前がナショナルギャラリーだよ」
「美術館…子どもたち楽しめるかな?」
「そうだよね、子どもたちが楽しむならきっと自然史博物館とかのほうがいいよなぁ」
翔が頭の中にガイドブックで仕入れた情報を浮かべながら答える。
「じゃぁさ、ハロッズとか行っちゃダメ?」
「あぁそっか、ボクシングデー終わったからセールね?」
「そう。
だってさ斗真くん、明日から付き合ってくれるんでしょ?
俺たちに?
そしたらさすがに買い物に付き合わせるの悪いじゃん?」
「確かに…。
でもあいつ案外買い物とか好きだよ?
それにしてもまさか東山さんから連絡が行ってるとは思わなかったよ」
「翔さん、愛されてるねぇ?」
「揶揄うなよ、東山さんは面倒見のいい人だから…。
まぁいいや。
じゃ、ハロッズ行こうか?
乗り換えればすぐだしね?」
とりあえず次の行き先を決めた2人は子どもたちの姿を探す。
2人して、広場のライオンに乗ってるところを雅紀がカメラに収めてる。
「ホントに乗ってるじゃん?」
潤が笑いながら翔に言う。
「俺たちもいこっか?」
翔が笑いながら潤に言い、雅紀たちのいるライオンの元に歩いて行った。