第8章 お正月 <双子6歳>
翌朝、少し遅めに目覚めた5人はダイニングに駆け込んだ。
B&Bの女主人の挨拶に智と和也も英語で挨拶する。
「Good morning!」
毎週保育園で英語のプログラムがあるせいか?はたまた子ども故の度胸か?まったく物怖じせず話しかける姿はとても頼もしいものだった。
「ふたりとも凄いじゃん!」
雅紀が褒めると嬉しそうな顔の2人。
「だって、ジョージが教えてくれたんだもん」
智がドヤ顔でいう。
「ジョージのイングリッシュ、おもしろいよ?」
和也もここぞとばかりに報告する。
「そっかぁよかったね!」
潤が2人の手を取り席に誘導する。
この日の朝はいわゆる英国式のブレックファストではなくシリアルなどが中心のコンチネンタルブレックファストだった。
「ふたりともどうする?シリアルにする?トーストにする?」
「僕、ヨーグルトがあればいい」
相変わらず小食な智は朝からあまり食べる気が無いようでヨーグルトを欲しがる。
「ヨーグルトだけじゃなくてバナナも食べて?」
翔が栄養バランスも考えてそう言うと渋々ながらも納得した智。
言われたようにヨーグルトとバナナを口にした。
「和は?」
「僕、トーストがいい。バターといちごジャム!」
「了解。あっ、ジュースばっかり飲むなよ」
潤が用意しながら和也に釘を刺す。
ジュースのお替わりをしようとしていた和也は思わず手を引っ込めた。