第8章 お正月 <双子6歳>
「どうしようか?」
「ってかなにがおいしいんだ?イギリスって」
潤と雅紀が顔を合わせて言う。
「サクショー達がいいならチャイナなんかどう?
イギリスはさ料理がまずいって言われてるけど、それはあくまでイギリス料理であって、それ以外の料理はどれもおいしいよ」
「確かチャイナタウンまでそんなに距離なかったよね?」
翔が斗真に確認する。
「うん、そんなに距離はないよ。ここ、パーキング付きなんだね?」
B&Bの駐車場をみて斗真が翔に確認する。
「うん、一応レンタカーも考えてたから予めブックしてあるよ」
「さっすがサクショー!
ロンドン、駐車場少ないし、路上のパーキングロットもそんなに多くないからさぁ。
ここ置いても大丈夫?」
「もちろん」
「じゃ、智くんたちが寝ちゃう前にさっさとチェックインして移動するか?」
翔と斗真の間で今日の行動予定が決まったようだ。
駐車場に車を止めると、スーツケースを取り出し、ゲートをくぐった。
中に入ると翔が斗真にアシストしてもらいながらチェックインをする。
5人が通されたのは3階にあるファミリールーム。
この部屋は専用のバスとシャワーとトイレがあるので子どもたちも困らずに済む。
スーツケースを置くと、部屋に鍵をかけ斗真を含め6人で宿を出た。
「一番近い駅がここね」
斗真が迷うことなく5人を先導する。
『GreenPark』と書かれた駅。
おなじみのロンドンの地下鉄のマークがあった。