第8章 お正月 <双子6歳>
ロンドン市内、中心部、グリーンパークの傍にあるB&Bに到着した一行。
ロンドン市内には山ほど高級ホテルや歴史のあるホテルがあるが今回は敢えてB&Bにした。
もっともB&Bといっても地方都市のそれとはだいぶ違う。
感覚的には小規模のホテルと言ったところだ。
B&BはBed&Breakfastといって民宿とホテルの中間に位置する宿泊施設。
イギリスではあちらこちらにあるポピュラーな宿泊施設である。
朝食のみを提供するのが基本になっている。
今回は5人で一部屋に泊まりたいという希望があったのでファミリールームのあるB&Bにした。
大規模のホテルと違って実際に経営している現地の人とのコミュニケーションも必要になってくる。
それが智や和也にとってなんらかの刺激や自信になればいいと思ったのもあった。
「ここだね、サクショー。
ここB&Bでしょ?夕飯どうするの?」
運転してる生田が助手席の翔に声をかける。
生田が発した「サクショー」という呼び名に智と和也が不思議そうな顔をしてる。
「サクショー?」
「サクショー?」
不思議そうに口に出している二人が可愛くて雅紀と潤がくすくす笑ってる。
「翔兄、『サクショー』ってよばれてんの?」
「違うよ、そんな風に呼ぶの今は斗真ぐらいだよ。で、夕飯どうしようか?」
翔が後部座席の方に向いて雅紀たちに尋ねた。