第8章 お正月 <双子6歳>
羽田を離陸しておよそ13時間。
飛行機は無事、ロンドンのヒースロー国際空港に着陸した。
この国の入国審査は日本と違ってあっさりしている。
まぁ、それでも最近は少し厳しくなったみたいだけど、子連れの翔たちはあっさりとその場を抜けた。
到着ロビーに出るとそこには沢山の出迎えの人がいた。
「櫻井~」
日本語が聞こえてそっちに振り向くと、翔の同期の生田がいた。
「斗真!何?迎えに来てくれたの?」
「驚いた?」
生田は悪戯っぽい顔で櫻井をみる。
そして、雅紀たちに向かって挨拶をした。
「初めまして、生田斗真といいます。
テレビ日本の報道部所属でこちらに特派員として赴任してます。
翔くんの同期になります」
さわやかな笑顔の生田。
雅紀と潤がそれぞれ自己紹介をした。
「櫻井から聞いてます。滞在期間中、よろしくお願いします」
礼儀正しい生田の挨拶に二人も頭をさげる。
生田は膝を曲げてしゃがみ込むと智と和也に向き合う。
「智くんと和也くんだよね?
はじめまして、パパと同じ会社の生田斗真って言います。
あとでどんなことが好きか教えてね?
一緒に楽しもうね?」
「櫻井智です、お願いします」
智がふにゃっと笑う。
「櫻井和也です、よろしくお願いします」
和也が小さく頭を下げた。
「二人ともよろしくね?んじゃ、行くか?
車、停めてあるから取り合えず市内に向かおう?」
生田の先導で5人は駐車場に向かった。