第8章 お正月 <双子6歳>
智と和也は珍しく一生懸命食べていたがそもそもの量が多かったので残してしまったチャイルドミール。
残りは雅紀と翔がそれぞれの胃に収めた。
大人の機内食が配られ、翔たちが食事している間、双子はそれぞれのデスクに紙を広げそれぞれ一生懸命何かを書いていた。
覗こうとすると隠すので翔たちは覗くのをやめた。
そのうちうつらうつらし始めた子どもたち。シートを倒し、フットレストをあげて、少しでも寝やすい状態にする。
一つ失敗したのはプレミアムエコノミーはシートが広いが真ん中のアームレストを上げることが出来ない。
少し寝づらそうなの形になってしまった。
それでもまぁ子どもは寝る時は寝るもので…このままひたすら寝てほしいと思いつつ、翔たちもそれぞれ自分たちの時間を機内で過ごす。
Wi-Fiを繋ぐことも可能な機内。
なんだかんだで結局、少し仕事をしてしまう翔は間違いなくワーカーホリックなんだと思う。
そんな翔を雅紀も潤も心配そうに見つめる。
潤が横から小声でいう。
「翔さん、仕事?
休暇なんだから少し休んだら?」
「ごめん、せっかくロンドンに行くからさ、見たいところとか纏めたいなぁって思って」
「ってか翔兄、日本で散々調べたんじゃないの?
寝とかないと時差ぼけになるよ?」
雅紀も子どもたちを起こさないように小声で言う。
二人の心配する気持ちがわかった翔は素直に小型のノートパソコンを閉じた。
「ふたりともありがとう。
おれも寝るわ」
言うが早いかそのまま眠りにつく。
潤も雅紀も驚きつつ、それぞれ眠りについた。