第8章 お正月 <双子6歳>
可愛らしく盛られたランチプレート。
「「いただきまーす!」」
二人はこういう時でも変わらない。
いつもの用に手を合わせて小さく礼をした後食べはじめた。
「うわ、なんかすごい豪華だね?
あっ、和の好きなハンバーグがあるじゃん!」
「うん!ハンバーグあるよ。まーくん、みて、ニンジンお星様!」
「だね?ちゃんと食べなね?」
「えー?まーくん、あげる」
「だーめ、和食べてね?」
「むー」
「食べたらあとで俺のアイス、少しあげるから。ね?」
「わかった、食べるから見てて?」
「いいよ」
和也の相手を雅紀がしている間、翔が智の相手をしていた。
「智、みせて?」
「うん、いいよ?」
智が自分のテーブルにのるチャイルドミールを見せる。
「お、カレーじゃん?智好きでしょ?」
「うん、好きだよ。潤くんのカレーがね、一番おいしいの」
ニコニコしながら智が言う。
「だってよ、潤」
通路の向こうにいる潤に翔が話しかける。
「え?なに?」
智の声が届いていなかった潤は不思議そうな顔で聞く。
翔はまるで自分のことのように、智の言ったことを伝えた。
「それ、なんかすごい嬉しいな」
「うん、俺も嬉しい。潤、いつもありがとな」
「ふふ、どういたしましてだな」
「ほんと、潤のお陰でうちの食生活、まともって言うかレベル高いって言うか…。
ほんと、感謝だな。」
二人の会話を聞いてた智と和也がこそこそと何かを話している。
それを雅紀が見守っていた。