第8章 お正月 <双子6歳>
空港のカウンターでスーツケースを預け身軽になった5人。
今回の目的地は英国、ロンドン。
ここで年越しを迎える。
翔も雅紀もそこそこ長い休みが取れるようになり、子どもたちも小学校に上がる前ならばということで今回、初めて子どもたちとともにヨーロッパに行くことにした。
本当はパリとロンドンの2都市周遊を考えていたのだが社会情勢を考えてロンドンのみにした。
翔たちはそれぞれ過去に旅行や、オリンピックの取材などで訪れたことのあるロンドン。
子どもたちに取っては楽しいかどうかかなり検討したが、ロンドンなら博物館とかも多く、案外楽しめるのではということで決めた。
旅行先にに悩んでる時になぜか東山が進めてきたこともあって結局、ロンドンに決めた翔だった。
「まだフライトまで時間あるね」
時計を見ながら潤が言う。
「そうだね。とりあえず出国審査だけして中でつぶすのは?」
双子と手をつなぐ雅紀が言う。
「その前にすこし両替してくるから待ってて」
翔が言う。
「あっ、ポケットWi-Fiの受け取りは?」
思い出したように潤が言う。
「まだ!んじゃ、二手に分かれるか?智と和はどうする?翔ちゃんと行く?それとも俺たちと行く?」
「うーん、僕、翔ちゃんとがいい!」
智は翔の元に走る。
「僕はまーくんたちのお手伝いする!」
和也は雅紀の手を握ったまま言う。
「じゃ、翔さん、終わったら出国ゲート前に集合でいい?」
「わかった。じゃ、行こう、智」
こうして、5人は二手に分かれた。