第8章 お正月 <双子6歳>
今年の二人のリクエストは二人揃ってプラレール。
智はDX踏切ステーション、和也はE7系北陸新幹線かがやき 立体レールセット。
その前の年はトミカの立体駐車場にオートサーキット…。
年々大型の建造物が増える櫻井家。
困ったと言いつつも子ども達に甘い3人は今年もリクエスト通りに揃えてた。
「もうちょっとしたらDSとかWiiが欲しいとか言われるんじゃない?」
3人の中でも格段に子どもと接する機会の多い雅紀が極めて妥当な予測を立てる。
「だろうね。でもさ、あの二人戦隊とか仮面ライダーはねだらないよね?」
不思議そうな顔で言う翔に潤が言う。
「いや、欲しいみたいだよ?でもああいうの1年で終わってすぐ次でしょ?だから別なのに誘導してるもん」
「うわ、マジで?」
驚いた顔で雅紀が返す。
「当然じゃん。兄貴なら絶対言うもん」
潤が当たり前と言う顔で言う。
「確かに達也さんなら言いそう…」
翔が義兄を思い出しながら呟く。
「案外、智美の方が言いそうじゃない?あの二人似た者同士夫婦じゃん」
雅紀が自分の片割れを思い出しながら言う。
「もう、6年…それともまだ6年?二人ともどう思ってるかな…」
翔が和室の仏壇に目を向けながら呟く。
「きっとね、ありがとうって思ってるよ、兄貴」
「うん、二人ともいい子に育ってるもん!自慢の息子じゃん!」
笑顔の潤と雅紀を見て翔も笑った。