第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
集合した後、始まったのが親子レクレーション。
2チームに別れて二人三脚リレーが始まった。
こういうとき双子が分かれることはよくあることでこの日も別れた智と和也。
和也が翔の腕を離さないので、雅紀と潤のどちらが智と参加するかという話になり、智の指名で潤が参加することになった。
昼前、散々子ども達と遊んだ雅紀は、ほっと胸を撫で下ろしカメラ係を引き受けた。
小さなことでも真剣になるのがローズ組の良いところ。
この日は大好きなママやパパと一緒なのでよりヒートアップする子どもたち。
リレーはデッドヒート。
途中、転倒した子には励ましを、頑張る子には応援をクラス一丸で行う姿は実に微笑ましかった。
和也は翔としっかりと脚をハチマキで結び、準備万端。
「涼介ー!がんばれー!はーやーくー!」
応援しつつ催促する状態に翔は苦笑する。
涼介からバトンを受け取った和也はひとつ頷くと翔と共に脚を進めた。
「かずー、しょうちゃーん!がんばって!」
「さとはこっちチームなの!はい!」
相手チームの応援をしちゃう智に、侑李が少し怒りながらバトンを渡す。
「そっか、そうだね?」
ふにゃっと笑う智。
次の瞬間、目が真剣になる。
負けず嫌いの潤も智に同調する。
二人で声を合わせながら一気に飛び出した。