第7章 おべんとうばこのうた <双子6歳>
賑やかなお菓子タイムもそろそろ終わりの時間。
伊野尾先生が集合をかけた。
お当番さんが食事の終わりの挨拶をすると、一斉に後片付けをはじめた。
「智、シート畳むの手伝って」
「うん、和そっち持って!」
二人で協力しながら綺麗に畳んでいく。
畳んだシートをリュックサックに入れる双子。
和が手に持ったままのお菓子は雅紀にあっさりと見つかり、リュックサックに逆戻りした。
「和、見つかっちゃったね?」
くすくす笑いながら智が和に言う。
「ね?」
和也も悪びれずに笑ってる。
「かーず?」
再び智が和也に声をかける。
「ん?」
和也が智のほうを向いた。
「あーんして?」
「あーん?」
智の言うことに素直に口を開いた和也。
その口に智がポケットにあったチョコレートを入れた。
そしてもうひとつを自分の口に入れる。
「んふふ、秘密ね?」と智。
「ありがとう」と和也が笑う智に抱きつく。
じゃれあう二人にクラスメートが抱きつく。
もう、なんだかわからない団子が出来上がっててそれを親たちがカメラ片手に見守っている。
「ローズ組さーん!並んでください!」
まゆ先生の声に動きが止まる子ども達。
長い子は0歳児クラスからの付き合いのためもはやパブロフの犬状態。
すぐにまゆ先生の元に集合した。